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2011年6月19日日曜日

どこの国も悩んでいる。どうやって各国は政策を決めるの?

@@@@やまねこ通信99@@@@

  どこの国も悩んでいる。だいたい、どうやって各国は政策を決
めているのだろうか?

  フクシマ原発事故を見守った世界各国は原発に対する政策をどんど
  ん転換している。
 
  ●地理的条件が日本と類似、インドネシアのユドヨノ大統領は原発
に慎重姿勢

来日中のインドネシアのユドヨノ大統領は17日午後、東京都内
のホテルで共同通信との単独会見。

福島第1原発事故を受けて「再生可能でクリーンな地熱、太陽熱な
ど原発以外のエネルギー源を開発できれば、私はそちらを選ぶ」と
明言、2019年までの稼働を予定した原発導入計画の推進につい
て、非常に慎重な姿勢を示した。

大統領の任期は2期目が終わる14年10月までで、任期中の原発
建設は困難な見通しとなった。

大統領は「インドネシアも日本と同様、地震や津波などの自然災
に脆弱だ。両国は地勢が類似しているので、日本で3月に起きた
ことはインドネシアでも起こり得る」と指摘。将来、電力需要が急
増した場合にも、原発建設には「全ての要因を考慮し、国民の支持
が得られなければならない」と強調した。

スマトラ沖地震の大津波にも触れ「通常の手続きを外れることが
あっても、迅速な決断と行動が重要だというのが私の経験だ」と指
摘した。

やまねこが参加している「脱原発ML」では、国民投票を呼び掛ける
動きが二種類流されている。
この動きに対して、すぐに開始しようとの積極的意見がだされる。
ところが一方で、国民投票そのものは憲法で保障されているが、原発
維持の石原都知事が当選するという選挙結果を見ると、国民投票の結
果は楽観できないとの慎重論が出される。

やまねこはどちらに対しても「その通り」と思う。
ところで国民投票はひとつの手段にすぎない。だいたい、ドイツ、
イタリアでは、首相はどのようにして政策決定を行っているのであ
ろうか。それを見ることで、イタリアやドイツと、この国はどこが違
うのかが分るかもしれない。


  イタリアは国民投票でNO
イタリアは原発を見直そうとの国民投票をした。これは二度目の国
民投票だった。イタリアはチェルノブイリ原発事故直後の1987年、
国民投票で原子力を放棄していた。今回の国民投票は福島第1原発事
故のあとだけに、人々の関心は高く、投票率は57%、国民投票が有
効とされる定足率50%を大幅に突破。4つの国民投票のいずれも賛成
95%を超えた。

イタリア政府は、他の欧州諸国と同様に、原発建設凍結を決めたが、
ベルルスコーニ政権は長期的にはこれを復活させ、幾つかの原発を建
設したい意向だった。
イタリアではベルルスコーニ首相が、国民投票ボイコットを呼び掛け
たが、敗北した。結果的に首相は信認投票に敗北したことになった。

  ドイツでは首相が政策転換を表明
内閣の閣僚16人中6人が女性であるドイツでは、メルケル首相がフク
シマを見て、原発から撤退することに決定。
しかしメルケルは3.11以後、すぐにこの決定をしたのではなかった。

ニューズウィークの記事を観察しながら、メルケルがどんな経過で原
発見直しに転じたかを分析しよう。

1段階 「原発は安全と強調したが、リスクを認める」
メルケルは日本の震災後の12日、ドイツの原発は安全だと強調したが、
その後「何事もなかったような顔をして運転を続けるわけにはいかな
い」とリスクを認め、徹底的な安全性検査を命じたとガーディアン紙
は報じている。

ドイツでは、原発は数十年前から激しい論争の種だった。09年に発足
したメルケルの中道右派連立政権はそれまでの脱原発路線から原発推
進に舵を切ったが、ニューヨーク・タイムズ紙によれば、「世論調査
では最大70%ものドイツ人が原発に反対している」。

2段階 「福島の事例に学び稼動延長を3カ月間凍結」
「ドイツのアンゲラ・メルケル首相は昨日、老朽化しつつある国内の
原子力発電所の稼動延長を3カ月間凍結すると発表した。地震で被災
した日本の原発が深刻な事態に陥っていることを受けた措置だ。「日
本の原発事故は、あらゆる科学データの想定を超えた事態も起こりう
るという証明だ」と、メルケルは語った。
 
3段階 「大規模デモ、稼動期間を12年延長する計画を破棄するよ
う要求」メルケルは2年後の総選挙をにらむ必要。

南部のシュトゥットガルトでは同日、数万人規模のデモがあり、メル
ケル政権にドイツの17基の原子炉の稼動期間を12年延長する計画を破
棄するよう要求した。月曜には、ベルリンでさらに大規模なデモがあ
った。

「日本の原発事故を見たドイツ人は、原発はやっぱり危険じゃないか
と怒っている」と、ニューヨーク・タイムズ紙は伝える。「科学者の
なかには原発の危険を実際より小さく見せようとする人がいるが、ド
イツ人はいざ事故が起こったときの影響を死ぬほど心配している」

「ドイツ人は、原発問題に関しては緑の党がいちばん正しいと見てい
る」と、エアランゲン・ニュルンベルク大学の政治学者ローランド・
スタームはウォールストリート・ジャーナル紙に語った。「その影響
は選挙結果にも表れるだろう」
 一方、EU(欧州連合)は火曜にエネルギー担当相らの緊急会議を
開き、万一日本型の原発事故が起こった場合に備え、欧州内の原発の
耐震性や安全対策を総点検する。EUの声明によれば「現行の危機対
応プランと安全対策に関して生の情報を得る」のが目標だという。
(以上引用終わり)

以上のように、
1.ドイツでは、原発は数十年前から激しい論争の種だった。
2.原発政策に対して国民が緑の党を信頼している。
3. 世論調査では最大70%ものドイツ人が原発に反対している。
4. 南部のシュトゥットガルト、別の日にはベルリンで数万人規模の
大デモ行われたこと。

以上を受けて、メルケル首相は、二年後の選挙をにらんだのではない
かとやまねこは分析する。政治家は国民の意思の有りようをデモ報道
を通じて見極め、選挙民の意思の在り処を判断している。民主主義が
機能した政治と見える。

  日本では?
この国ではどうだろう。
1.原発は安全神話に守られていたため、論争が体をなさなかった。
さらに電力会社の膨大な広告費を受けているメディアは、論争を報道
しなかった。
2.日本共産党が、原発の危険と経済産業省の管理不十分を追求してい
たが、少しも改善されることがなく、メディアの扱いが小さかった。
3.複数の世論調査があり、原発継続派がわずか6%との調査もある。
原発見直し派は国民の94%との数字は、諸外国と同じ。
4. しかし国民のデモでの意思表示(デモンストレーション)は数万
人規模には及ばない。加えて報道がきわめて小さい。
一方、国民は原発NOであっても、何をしたらいいかわからない。
国民の無力感が高まって、政治離れが加速する。
メディアは政治をおもちゃにして緊急の問題に向き合おうとしない。
結果、国民の声が、政府の政策に反映されず、反映していないこと
に対して政府は危機感を抱かない。なぜならそれが選挙に反映され
ないから。

だから原発事故進行中、被災地支援の最中に、首相引きずり下ろし
に永田町が夢中になる。
この時期に「政治ごっこ」をしている。

自分で問題解決する能力のないことで、現実はどんどん悪化する。
この状況は世界中が見ている。永田町は国内にしか目が向かないか
ら「世界の笑い物」になっていても気づかない。

「きみたち、永田町で遊んでていいんだよ。難しい問題は、みんな
こっちで考えてあげる。きみたち言われたことだけしたらいいん
だ」

まるでこの国の外に<足長おじさん>がいると思わなかったらとて
もこの現実は理解できないと考えるのは、はたしてやまねこだけだ
ろうか。

 うらおもて・やまねこでした。

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