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2011年6月28日火曜日

劇団でごば夏公演『ペッパー将軍の黄色い潜水艦』、松本での『放浪記』

@@@@やまねこ通信105@@@@


  劇団でごば夏公演『ペッパー将軍の黄色い潜水艦』

諏訪理科大の伝説的演劇集団、劇団でごば、夏公演が迫っている。
第一世代のメンバーが全員卒業した今年は新規蒔き直しの時。
員の数も多くはない。

以前顧問をしていたやまねこ。リハーサルへの参加を求められ、
8時から約50分観劇して先ほど戻る。

きびきびしてメリハリのある舞台だった。言わんとすることは的
確に伝わったよ。一番言いたいことは何か、そこで最大に盛り上
がる工夫をしていた。そこがさらに盛り上がったらいいと思った。

『ペッパー将軍の黄色い潜水艦』ジュリアン=ショーン原作、
高杉謙演出

ユートピア劇である。「今とここ」でない世界を求めることは果
たして可能だろうか。
その名はストロベリー・フィールズ。わくわくするロックのバン
ドが迎えてくれるよ。

母のいない家庭で大学に入学した息子を迎える父。祝杯を上げて
息子を祝おうとするが語りかける言葉が見当たらない。父はその
物語をどうやったら息子に伝えることができるだろう。

伝えたかった父の物語はロックンロール。劇中劇がいくつも挿入
され、その中で息子と父は立場が逆転。ペッパー将軍と水兵くん
は、どんな「武器」をもっているのか!領海に入った他の戦艦に
たいしてどのような武器で勝利をおさめることができるのか?

「息子よ、ロックンロールは愛と平和を訴え、暴力と権力を憎む
文化なのだよ」(ポスターより)

ジョンとヨウコ、ジュリアンとショーン。根底に横たわる神話は
レノンの聖家族。何度もこれが語り起こされ、呼び出される。愛
があれば銃は要らない。戦争は終わりだ。
資本主義も社会主義も共産主義も民主主義も全部ストロベリーフ
ィールズにはいらないもの。

1960年代のロックの夢と思想、ロックのユートピアが、大震災と
福島原発事故後の「第二の敗戦」後、この諏訪の地の若者たちに
よってギャグと熱気と共に呼びかわされている。

劇団でごばの舞台を見て、やまねこは思い出した。
ウッドストック・フェスティヴァルという野外音楽祭が19698
月の3日間、ニューヨーク州のベセルで開かれた。

30以上のロックグループが出演、当初1万人、2万人の入場者を見
込んでいた主催者側の見込みを大きく超え、入場者20万人どころ
かその倍の40万人にのぼった。

会場で2名の死者2名の出産があった。ヒッピー文化、カウンター
カルチャーの記念的出来事としてその神話と真実が今なお語り伝
えられている。(Wikipedia ウッドストック・フェスティヴァル)

やまねこは当時25歳。ラジオから幾度か伝えられるニュースを聞
きながら、何かとてつもなく大きな文化の革命が進行中なのだ。
きっとそこに自分もまじってゆくのだと思い、胸をわくわくさせ
ていた。

音楽仲間とは無縁だった。けれど、パリ5月革命に呼応した先進
国の学生たちの学園闘争とともに、それ以前の世界とそれ以後で
は、世界は決定的に変わってしまった。この波はあらゆる領域に
影響を及ぼすことになった若者の文化革命の一環だったのだ。

その時代から約40年が経過し諏訪の地ではこのことを、ほとんど
思い出すことがなかった。ところが1990年代初頭に生まれた若者
たちが、ロックンロールを歴史として、あるいは神話的ヴィジョ
ンとして呼び出す芝居の稽古に今晩立ち会った。何ということだ
ろう。

上演の日程いは次の通りです。
日時:72日(土)1回目 11時開演、2回目15時開演 
   73日(日)3回目 13時半開演 
会場:諏訪東京理科大 432教室
入場無料

会場はやまねこたちの仲間が、茅野市男女共同参画講座を開くと
同じ教室。スタジオ公演のおもむき。
 
岡谷市オギノ隣ストロベリー・フィールズのかやのさん、お子
さんがたもご一緒にどうか来場して下さいね。
やまねこは日曜日に見る予定です。

皆様、お時間を都合して下さり、どうかご来場くださいますよ
うに。


  松本パレアでやまねこが講演します

 パレア松本教養講座
成瀬巳喜男版『放浪記』
ーー「男に甘いふみこ」はどうして男性に嫌われるのか?

時:72日(土)午後1時~3
所:パレア松本女性センターネットワーク室
   Mウイング3階
講師:藤瀬恭子
受講料無料

両親と九州を行商し小学校を8回も転向したふみ子。大学生と駆け
落ちし東京に行ったが相手は卒業後帰郷して結婚。
女学校卒だから仕事を見つけて自立したい。母とは口げんかばかり。
けれどいつかは楽にしてやりたい。

文学仲間の男性にすぐに夢中になるふみ子。けれど二人の誰が生活
費を稼ぐのか。貢ぐふみ子は偽善者なのか?どうしてふみ子は憎ま
れるのか?

女の生涯に横たわるさまざまなジレンマは今日も変わっていない。
森光子の舞台版との比較も興味深い作品。

ご参加をお待ちしております。

うらおもて・やまねこでした。

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