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2011年9月12日月曜日

「貧困と男女共同参画」湯浅誠の講演、「女たちが元気」はどこの地域の話?

@@@@やまねこ通信135@@@@

● 「貧困と男女共同参画」湯浅誠の講演

信毎(94日付)の小さな記事である。長野県の南端、岐
阜県との県境、天竜川と木曽川に挟まれた恵那山の麓、阿
智村で、「反・貧困ネットワーク」の湯浅誠さん(42歳)
が講演をした。

日本社会の貧困と男女共同参画の関係について。
「日本の女性は結婚や育児による無収入や低収入が人生に
折り込まれてしまっている」と指摘。女性が社会で活躍す
ることで社会保障も安定し、「社会が回り続ける仕組み作
りにつながる」と強調した。

こうした社会の実現には、女性は家事をすべきーーといっ
た「『当たり前』を捨てる勇気が求められる」と繰り返し
述べた。(以上新聞引用)

これは誠にタイムリーで良い話だった。やまねこは非正規
雇用の若者と男女共同参画について常日頃語っている。小
さな記事を読む限り、湯浅誠の発言は女性を眼覚めさせ、
背中を押す方に向けられていたようである。

湯浅誠の発言を拡大延長をすれば、「当たり前」を捨てる
勇気を持つべきなのは、聴衆の大多数を占めたと思われる
女たちばかりではないはずである。

むしろ、行政の組織、企業の人事担当者ら、男性の政策決
定者たちこそが、頭を切り替え、「当たり前」の「慣例」
を一日も早く捨ててほしいものである。

それにしても、湯浅誠が長野に来訪して、男女共同参画関
係の講演をする行事予定を知っていたら、何とかして参加
したのに。残念だなあ。

県や県男女共同参画推進県民会議、阿智村などでつくる実
行委員会が主催で、「男女共同参画地域フォーラムinあち」
を開いた。

県内市町村の男女共同参画部門に広報が届けられ、地域の
男女共同参画担当者が関心高そうな市民に広報活動をする
手順が定まってるはずなのに。やまねこの住む自治体では
どうなってるのだろう?問い合わせてみなくては。


「女たちが元気」はどこの地域の話?

「男女共同参画なんて、そんなもん学習する必要ない!」。
暗黙の言葉が会議室に流れていた。4年前、ある自治体の男
女共同参画推進委員会の風景である。

「なんで今ごろ、男女なんて言うんだよ。うちの会社に女
の部長なんかいなくても、全然困らんよ」と企業の人事担
当役員。

「お忙しいところをお出まし戴いて恐縮ですが、まあ、そ
こを何とか、元の計画案の文言を少しいじっていただけれ
ば良いんでして・・・」

行政の担当管理職は、男性企業人にひたすら気を使ってい
る。

行政の召集する正式の会議で、議事の主題そのものについ
て「こんなもん、いらん」と公言してはばからない委員が
いたことにやまねこは吃驚した。

「環境」であれ、「街づくり」であれ、他市町村の会議に
も出たことがあるが、どの地域でも、会議の目的とする課
題に詳しい委員がリーダーを務めていた。

ところが、やまねこの住む地域の男女共同参画の委員会に
関する限り、もっとも関心の薄い男性たちが、リーダーを
務めていた。関心のないことを公言してはばからないばか
りか、とんでもない発言をして時間をつぶしている。

役所の管理職のクオータ制についてやまねこが語ると、女
性管理職の「上限」が30%だと思いこんでいる男性もい
た。女性管理職がほとんど存在しない現実を改善するため
の一つの手段であるクオータ制。ところがその男性は、根
拠なく、女は30%を超えてはならないと思いこんでいた。

企業人を集めての初の部会に出たことで、こんな素晴らし
い勉強の機会は他になかったとやまねこは今も感謝してい
る。中高年の無理解な男性が多いことは知っていたが、男
女共同参画基本法そのものに対して異議を唱え、専門委員
(やまねこ)の話を聞こうともしない委員に対し、議事の
進行を促す気があるのかどうか分からない行政の対応には
あきれて物が言えなかった。

この委員会が終了した折、ほとんど発言しなかった男性委
員と会場の外で雑談をかわした。初老の男性は語った。
2年ほど、出席したけれど、何の話をしてるのか、全然
分からなかったですよ」。

委員会では議事がすでに細分化されており、個別問題だけ
を議論するように行政が要請していた。どうしてその問題
が必要なのか、背景にある事柄をやまねこが語ろうとした。
すると、それは今の問題と違いますとさえぎってきた行政
の議事進行。その必然的結果が、「何の話だったのか少し
も分りません」であった。

総論の説明もなく、理解不十分な委員が出席している認識
もなく、部分だけ議論することは構造的に無理である。

その後、自分の住む地域において、何とか男女共同参画の
学習が継続的に出来る場を作ることができないだろうかと
考えた。その結果、仲間と協力し、意欲的な市の担当職員
に助けられて開くようになったのが、現在の連続講座で
る。協力して下さった理解ある女性職員の方々には心から
感謝している。次回についてはやまねこ通信134号でお伝
えしたとおりである。

男女共同参画は「さまざま考えがあるから」との意見も語
られている。その通りだとやまねこは考える。けれど、だ
としたら、さまざまな考えをそれぞれが発言し、何らかの
方向を求めて討論する必要があるのではないだろうか。少
なくとも、「おおやけ」の場ではそれが必要であろう。

「さまざまな考え」を語り合う場を作るのが、行政の仕事
ではないのだろうか。

「夫婦が仲良くしていれば、それが男女共同参画だ」と市
長が発言しても、その無知を咎められることもない平和な
地域である。

同市長は「女たちが元気だから、共同参画をこれ以上進め
ると、大変なことになる」と語ってもいるらしい。この言
葉が市長の真意と違うのだったら、是非とも反論してもら
いたいものである。

「女が元気」とは何を見て言うだろう。市役所の女性部長
ゼロ。女性課長1名の地域である。市長の男女共同参画に
対する考えを聞く機会が是非とも必要であろう。

地域の男女共同参画、草の根は意欲的だが、「隗」の対応
が鈍すぎて、眠っているんじゃないの、と見えるやまねこ
の地域。

年一回の男女共同参画推進大会を開催する準備のタイミン
グである。市長には、是非とも眼を覚ましてもらわねば。


諏訪市、下諏訪町、岡谷市、富士見町、塩尻市、松本市、
近隣の市町村では意欲ある女たちの集団と、それをしっか
りサポートする有能な行政職員たちが連携していることを、
やまねこはいくども確かめている。

この地域だけその例外であっていいわけがない。今のまま
の体制で良いわけがない。このままではまずいんじゃない
の?「講座」を続けて来たやまねこと仲間たちは、こう考
えている。

うらおもて・やまねこでした。

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