ページビューの合計

2011年12月1日木曜日

いい加減にしてよ!セクハラ事件報道が一日に二件も!



@@@@やまねこ通信156@@@@ 

12月になりました。11月末に「もう、いい加減にしてよ」
と言いたい事件が二つ報道されました。

29日に田中聡沖縄防衛局長(50)が辞任しました。辞任
の理由は人前で大声では言えない「強姦する側」の発言を
非公式の会見の席で記者たちに語ったこと。当日中途から
見たNHKニュース9ではなんのことやら分かりませんで
した。30日朝刊でようやく判明しました。

メディアで報道される前に、一日の隙間がありました。毎
日新聞以外、朝日読売など大メディアの記者が同席したに
もかかわらず、局長の侮辱発言を報道したのは「琉球新報」
だけでした。NHKなどの報道はその後を追っかけたもの
です。

非公式の懇談会での発言を報道したことについて、琉球新
報は玻名城泰山(はなしろやすたか)・編集局長名で「政
府幹部による人権感覚を著しく欠く発言であり、非公式の
懇談会といえども許されていいはずがない。公共性・公益
性に照らして県民や読者に知らせるべきだと判断し、報道
に踏み切った」とのコメントを出した。

やまねこは琉球新報の判断に喝采を送ります。公務である
からこそ記者が同席しているのです。非公式だからオフレ
コにしてよとの甘えが許されて良いわけがありません。

以下毎日WEB版です。
●「沖縄防衛局の田中聡局長(50)が28日夜、報道機
関との非公式の懇談会で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野
湾市)の移設先の環境影響評価(アセスメント)の評価書
の提出時期を一川保夫防衛相が明言していないことについ
て、「犯す前に犯しますよと言いますか」と発言していた
ことが分かった。藤村修官房長官は29日午前の会見で「
事実なら、看過できない」と指摘。防衛省は午後、田中局
長を上京させ、事情を聴いた上で、更迭する方針を固めた。

29日付朝刊で発言を報じた琉球新報や防衛省関係者によ
ると、懇談会は防衛局側が呼びかけ、那覇市内の居酒屋で、
地元報道機関など約10社が参加して開かれた。問題とな
った発言は、評価書の提出時期をめぐるやり取りの中で出
たという。毎日新聞は懇談に参加していなかった。

女性や沖縄県民を侮辱するともとれる内容で、沖縄側の反
発は必至。防衛省の目指す評価書の年内提出が難しくなる
可能性もあり、29日の記者会見などで閣僚や与党幹部か
ら批判が相次いだ。

一川氏は参院外交防衛委員会で「本人から事実関係を確認
し、厳しい対応をしたい」と更迭を示唆。玄葉光一郎外相
は「事実だったら言語道断」と語った。

 衆院沖縄1区選出の下地幹郎・国民新党幹事長も29日
午前の会見で「普天間返還が動いたのは(95年の)少女
暴行事件だ。そういう普天間の歴史を考えても問題がある。
簡単に許されるものではなく、更迭に値する」と強調した。
田中局長は防衛省広報課長、地方協力企画課長などを経て、
今年8月に就任していた。【朝日弘行、小山由宇】
(以上毎日引用)

●「女性や沖縄の方を傷つけ、不愉快な思いをさせたこと
を誠に申し訳なく思う」と一川防衛相に呼び出された更迭
された局長は謝罪したという。

更迭局長の頭の中に「ホンネ」と「タテマエ」の乖離があ
ると思う。局長は日ごろ公式の席では「タテマエ」を語る。
けれど酒の入った非公式の席で「油断して」ホンネを語っ
た。ホンネを語る方がくだけた人柄で役人らしくない話の
分かる人であるとの評価が男性社会では得られることを知
っていたのである。これは「油断」ではあるまい。

問題は男性社会というムラの中では、こうした発想、発言
が大手を振ってまかり通っているという現実がまたしても
明らかになったことである。場をわきまえ、最適な発言を
することが官僚、政治家としての能力だとすれば、更迭局
長は場を間違えた。でなかったら場の掟が変化した。

「沖縄と女性」を侮辱している。だから琉球新報が報道し
た。けれど女性侮辱発言だけだったら報道されたかどうか
疑わしいとやまねこは考える。

更迭局長の今回の発言は、本土の男性社会が、「沖縄と女
性」をどちらも下に見ており、その意味で、「沖縄=女性」
であることを明らかにした。

けれど米国から見るなら、この国はその中に、男性も女性
も沖縄の人々も含め、軍事的、国際政治的に、日本国にと
っての「沖縄と女性」と同じ立場に置かれていることを忘
れるわけはゆかない。

シンプルに言い換えるなら、米国対「日本(男性+女性+
沖縄)」なのである。

普天間返還が動いたのは95年の少女暴行事件であること
を思い出そう。沖縄の性暴力を受けた少女は、ひとりでは
ない。彼女はこの国の権力者たち、首相であり防衛相であ
り国会議員でありこの国のすべての市民たちなのである。

首相よ! 被害者だった少女はあなた自身なのよ!
更迭局長よ! 被害者だった少女はあなた自身なのよ!


  対価型セクハラの一例
「柔道の内柴氏を所属大が懲戒解雇 女子学生にセクハラ
」との報道があった。 

九州看護福祉大(熊本県玉名市)の女子柔道部コーチでア
テネ、北京両五輪の男子柔道金メダリストの内柴正人客員
教授(33)がセクハラ行為をしたとされる問題で、九州
看護福祉大は29日、内柴氏を懲戒解雇処分にしたと発表
した。

大学によると、内柴氏は9月19日、ホテルで未成年の女
子学生と飲酒した上でセクハラ行為に及んだ。内柴氏は事
実関係を認め「合意の上だった」と話しているという。
 
処分理由は「教職員としての適格性を欠き、大学の信用を
失墜させた」とした。被害に遭ったという女性の関係者か
ら9月に情報が寄せられ、大学が調査委員会を設置して非
公開で事実関係を調査していた」。(以上引用)

内柴という男性が柔道金メダリストであったことを、やま
ねこはこの事件ではじめて知った。けれど柔道界において
特に地方の大学の柔道部においては、内柴は殿様だったの
だろう。33歳で教授。33歳だと多くの者たちは専任講師だ
って手が届かない。大学院生かもしれない。

アテネ五輪の金メダル以後、内柴が万能感を抱いたとして
もおかしくないと思う。「まわりの女たちは全部、俺のも
の」と思ってもおかしくない。それを個人の空想の中に閉
じ込めておけたらよかったのに、それができなかった。内
柴のように33歳でなく、50代、60代でも、私的な万能感を
外に出してしまう男性は少なくないのである。

9月19日に事件が起き、11月末に懲戒免職処分が出た。
対応の早い大学だと思う。長引けば長引くほど、大学の信
用と名誉に傷がつく。このことに敏感だったのだろう。

看護福祉学部は女子学生の多い学部。同時に女子教員も多
いだろう。セクハラ教員をそのまま雇用したり授業させた
ら、来年の学生募集に女子が来なくなるのではないか。大
学側のこの危機感が処分を早めた要因だと思う。定員割れ
の大学が半数以上を占め、大学の生き残りをかけた時代だ
から尚更である。

一方、被害者の女子学生はどうやって学内で守られている
のだろう?加害者が「合意の上だった」というのは性暴力
事件の常套である。

大学の部活やサークルの顧問、指導教員は、部員や学生に
対して権力者の立場にある。教員の指示に対して学生はノ
ーとは言いにくい。ノーと言ったとたん、学問的教育的関
係がその先に進まなくなる。関わりは崩壊し、学生はその
世界にいられなくなるのではないかとの懸念を抱く。

この関係を利用して、セクハラを働く男性教員が後を絶た
ない。調査に対して加害者は「合意の上だった」と言い逃
れる。旧い男性社会の堅固な組織では、加害者を男性たち
が守って「懲戒免職は、男性にとり死刑と同じだ」などと
被害女性に言い含める。言語道断である。

女の立場からすれば、強姦や強制セクハラは、「魂の殺人」
である。

職場や学校で、昇格や優遇をエサにして女性を思うままに
支配しようとするセクハラは、「対価型セクハラ」と呼ば
れている。

一方、女性たちの不快を顧みず侮辱発言をしたり、接触し
たりする行動を、「環境型セクハラ」と呼ぶ。

セクハラは男女雇用機会均等法に細かく規定が記され、幾
度もの改定のたびに事例を踏まえて規定が厳しくなってい
る。女たちが社会で活動する際に、さまざまなハードルが
横たわっているが、セクハラはその大きな要因の一つであ
る。

どうやったら防止できるか?
防衛省も大学も、一日も早く、職員の半数を女性にするの
がいいだろう。男たちの「ホンネ」を職場や学校で通用さ
せない社会を作る。これ以外に対応は見つからない。

皆様ご存知の組織や学校では如何でしょうか?


もう、いい加減にしてよ!環境型セクハラと対価型セクハ
ラ一日に二件も!



うらおもて・やまねこでした。


0 件のコメント:

コメントを投稿