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2012年1月21日土曜日

中国人女性の眼「日本の男の人たち、楽してるね」「女性が外で働いたら日本の力は2倍ですよ」


@@@@やまねこ通信180@@@@

雪の日は静かで温かい。雪は音を伝えない。遠くの音が聞
こえない。ただでさえ人通りの少ない森の中、雪の日は朝
から静まり返っています。

●「日本の男の人たち、楽してるね」
上海餃子屋(諏訪市)の女性経営者黄さんは、17年前に来
日して以来、日本人家庭では男性が家事をしないことを知
って目をまるくしています。

「中国だと、大金持ちなら別だけど、二人で働いたら、二
人で家事もするよ。妻が外で食材買ってくる。夫が調理す
る。皿洗いは妻と夫の二人でする。
日本の男性は、勤労者なのに、のんびりしてるね。妻が夕
食の準備してるのに、夫はテレビ見てるの。どうしてだろ
うね?」

一度も結婚したことのないやまねこは、黄さんの考えに1
00%同感です。どうしてこの国の男たちは、忙しそうな
妻を横目に、ビール飲んで野球の試合を眺めていられるん
だろう?

黄さんの息子さんは遠隔地の大学に入学して一人でアパー
ト暮らしを始めた。仲間たちと共に夕食を料理することも
多い。

「日本人でも、若い子たちは自分で料理できるみたいだね」
息子さんの話を聞いて、黄さんはこんなことを語りました。

●話は横に逸れますが、やまねこは大学時代、授業料をほ
とんどアルバイトでまかなっていました。親からの仕送り
2歳上の姉とのアパート代と食費に消えました。

夏休み、冬休み、春休みの間は、できるだけアルバイトで
埋めました。1年生だった頃、長期休暇は、デパートの中元、
歳暮セールの期間に丁度重なっていたのです。

2年生以後のアルバイト探しの遍歴は、まるで冒険物語のよ
うにわくわくする綱渡りの連続でした。アルバイト探しと
アパート探しで東京のすみずみに深く潜り込むことが、や
まねこの大学4年間の大きな楽しみでした。

本当ならもっとしっかり勉強したらよかったのにね。

学生時代のアルバイト体験談を、学生に語ったことがこれ
まで幾度もありました。後になってみれば面白くおかしい
話ばかりです。

けれどこの10年ばかり、こんな話をする機会がすっかりな
くなりました。

この国の経済と社会の姿が、大きく変わりました。199
0年にバブル経済がはじけ、そこからの回復と称しながら、
非正規雇用がすっかり拡大定着するうち、グローバル経済
はリーマンショックで墜落しました。

本来なら消費欲旺盛なはずの若者たちが、雇用不安のため、
商品を購買する意欲をもつことがなく、結果、デフレ経済
からの出口が見つかりません。

学生たちも、入学したと思ったら、一年生の頃から、卒業
後の就職のことを気にするようにと、社会的に追い込まれ
ています。自分が生きる世界と違った世界に向かって、想
像力をふくらませ、好奇心をたぎらせる余裕などを、いま
どきの学生たちは持てなくなっています。

やまねこが学生時代を過ごした60年代後半、東京都心の経
済事情だったら、若いころのアルバイトをつないで、将来
定職に就くことも可能だったかもしれません。

やまねこの学生時代は、1960年代から70年代にかけての高
度成長の時代でした。
この当時1965年~1975年の10年間に、この国の初任給は2
倍になりました。
ところが1995年~2005年の間、初任給はほぼ同じで物価増
の影響を鑑みるとむしろ下落しています。

在の学生にとってやまねこの体験は、ほとんど現実感の
ない夢物語と見えるかもしれないのです。

●ところが、やまねこのアルバイト物語に共感を示す学生
たちが現れたのです。中国からの留学生たちです。

留学生たちは就労ヴィザではないから、アルバイトするこ
とにかすかな罪悪感を抱かされています。だから教師であ
るやまねこがアルバイトで学生時代をやりくりしたという
事実に共感を覚えるのかもしれません。

この国が途上国だったころが、やまねこの学生時代でした。
中国の現在は、日本と比較すればまだ途上国です。

発展途上の坂道を上りつつある社会で幼い時代を過ごした
という意味で、日本人学生との距離よりも、中国からの留
学生たちとの距離が近い一面があるかもしれないと、やま
ねこは自分の立ち位置について考えることがあります。

女子の留学生たちと話していると、大学生活を、学業の面
でまた経済的な面で、何とか乗り切ろうと懸命に計画をこ
なしている必死さに打たれます。

そればかりでなく、多くの日本人が気づいていないことを
折に触れ、語るのを聞き取ることができます。

女子留学生のひとり、Rさんは、日本社会の停滞の解決法
を語ってくれました。

「日本の国は、まだ半分しか力を出してないと思います。
男の人しか働いていないからです。女の人が外で働いたら、
すごいと思います。力が2倍になると思います」

「中国はさまざまな問題もあるけれど、男女平等のところ
は良いと思います」

Rさんの語る通りです。日本が女性の力を利用することな
く、停滞だ、未来がないと言っても、国際的に説得力がな
いことを、この国の人々はほとんど認識していません。

女性と男性のワークシェアリング、ワークライフバランス
の道がまだほとんど手つかずで残されているのですから。

世界経済フォーラムのGender Gap Index世界男女不平等指
数では、中国61位、日本97位(2010年)でした。

Rさんは自国の抱えている課題、それに留学先の国の課題
を、マイナス面も含めて総合的に把握して自分の意見とし
て語ります。

日本人学生たちは、どうやったら、このような立ち位置が
得られるのでしょう?

12年から、就活に熱心でなかったら乗り遅れてしまうよ。
こんな、就職難時代の就活至上主義を余儀なくされる学生
生活では、残念だけど難しいだろうなとやまねこは思うの
です。


うらおもて・やまねこでした。

4 件のコメント:

  1. もう居なくなって35年の夫は家事を手伝ってくれました
    好きみたいでしたよ~邪魔なときもあったけど
    息子たちには「食べにゃ~ならんもんは、お母さんが作るけど
    食べたいモンは自分で作られ」と
    1人分の出汁の作り方から教えました~
    彼らは嫁様と一緒に、キッチンに立ち、美味いもんを作ります
    時には後片付けもしております
    長男の長男(中2)も、自分でウインナーを茹でたり
    特に小さい時から洗いものが好きです

    その家(国)では当たり前のことでも、外から見れば変わってる
    何事も良いことには悪いことがくっついているようだし
    人其々都合や思いもあるだろうし、皆同じ考えッつうのも恐いかな~^^?

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  2. やまんばさま、コメント有難う。
    そうだったの。35年前にやまんばさまの夫はカジメンだったのか。
    会ってみたかったね。
    息子さんたちへの教育は自立教育だから結局本人たちが助かった。

    経済力が高まり女性が高学歴になった社会は、どこの国でも少子化が進む。けれど解決に取り組んで出生率を改善した国々がある。そうした国と比較すると、日本は女たちの家事育児負担が大きい。
    男性保守政治家たちはずっと、
    「女が子どもを産みたがらない」と女性を非難して、対策を怠ってきた。

    男性の育児家事負担国際比較の表があるから次をクリックしてくださいね。1位ノルウェー40%、オーストラリア、スウエーデン、米国、ドイツ、フランスと続き、英国30%。日本12.5%、韓国12.2%だそうです。2009年の白書。賃金などさまざまな比較が見られますよ。
    http://www.gender.go.jp/whitepaper/h19/gaiyou/danjyo/html/zuhyo/G_13.html

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  3. やっと、動き始めました
    ナンだったんでしょうネェ?この3日間ほど~
    コッチの環境が悪いのかしら?
    イロイロ面倒なこと、御免なさい
    好みのバックに取り替えて頂戴ませませ

    返信削除
  4. やまんばさん。
    冬は山歩きでなくて、里の冬景色を明後日(あさって)おいでの模様。
    またあれこれの工夫を試してみよう。
    ところで、コメント記入にトラブルはないゆうことなんやね。
    改めたテンプレート、これはこれで、今時のアパートに入ったみたいで
    「古い上着よ、さようなら」した思い。
    ブログの断捨離か。

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