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2012年1月26日木曜日

東大と11大学、原発推進も、秋入学も、けれど隠された大きな問題が

@@@@やまねこ通信181@@@@


ブログの色合いを変えてみました。新しいアパートに引っ
越したような気分ですが、みなさまのご感想はいかがですか。

東大が秋入学を検討しています。秋入学が「国際標準」の
ため、外国からの留学生を受入れ、日本の学生の海外留学
を促すにあたり、春入学制度では不利であるとの理由です。

世界大学ランキングでは、8年連続でトップのハーバードは
2位となり、今回1位はカリフォルニア工科大学。日本の大
学では東京大学が全体で30位でした。

上位は、カリフォルニア工科大学、ハーバード大学のほか、
スタンフォード大学やケンブリッジ大学、オックスフォー
ド大学など米・英の主要大学、秋入学の大学です。

東大は、北海道大、東北大、筑波大、東京工業大、一橋大、
名古屋大、京都大、大阪大、九州大の旧帝大などと、早稲
田大と慶応大の11大学に参加を打診して、課題や実施方法
について議論を始めます。


今のところ、入試はこれまで通り春に行い、秋に入学・卒
業となる模様。このため、入試が終わった春から夏休みま
での期間をギャップ・タームと呼んで、その期間に、受験
時代には出来なかった、ボランティアのような社会活動、
外国旅行などを組み込むなどの案が出されています。


●地方大学からの異論、就職不利 (毎日新聞web版)
「東大や旧帝大など有力大学が秋入学移行に理解を示す一
方、地域密着型の地方大学からは「就職に不利になる」「
社会の受け皿がない」などと、現行の年度制とのずれに懸
念を示す声が相次いだ。


背景には就職が4月に集中している現状に加え、春の合格
発表から入学までの“空白期間”への不安があり、「社会
的な整備が先だ」とする意見も多く出された。
「就職の受け皿など社会全体の基盤作りが不可欠であり、
現時点では時期尚早と考える」。愛媛大の柳沢康信学長は
秋入学移行に否定的な立場だ。

帯広畜産大の長沢秀行学長は「社会システムも同時に変革
するのでなければ、受験生を混乱させるだけ」と、秋入学
に合わせた社会の仕組みの整備を先行して行う必要性を強
調する。

徳島大の香川征学長は「留学生数、地域の人口などを総合
的に判断する必要がある」とし、今後、想定される少子化
や過疎化対策を踏まえ、留学生の導入による大学経営の必
要を視野にいれなければならない現状を示唆した。


●やまねこは、地方大学の異論のほうが身近に感じられま
す。


東大が野心を燃やす、世界大学ランキング上位への食い込
みや国際競争が大切か。

はたまた、地元企業に就職する全国の大学生の卒業時期が
大切か?

当事者にとってはどちらも切実に違いありません。

この議論は、東大が11大学に声をかけ、「国際化」の旗印
の下、原発問題を見ても分かる利益至上主義、集団主義の
経団連を巻き込んでの世論形成の過程を進めているように
見えます。

けれど、どうして11大学だけで議論するの?どうして私立
大学が2校しか加わっていないの?国際交流の先進的な大
は他にもあるんじゃないの?
(その後、立命館大学が参加しました。)

入試が今と同じように春であれば、4年制大学が、4年半
制大学になって、保護者の負担が増大するんじゃないの?


それとも、エリート大学は9月入学、その他の大学は4月
入学にして、大学の2極分化を加速させることになるんじ
ゃないの?


幾つもの疑問が浮かびます。けれど、これらの疑問は比較
的小さな疑問です。

根源的な問題が、実は語られないままに隠蔽放置されてい
ます。大学が9月入学の国々では、幼稚園、小中高の学校も
同様に9月新学期なのです。

目下、東大中心に進行している9月入学論は、この国の幼
稚園、小中高の教育制度の全体構想を無視したまま、東大
+11エリート大学の「国際競争力」をいかにして強化す
るかという、切実さは理解できるけれど、全体から見てき
わめて部分的な問題を突出させ、独り歩きさせている出来
事なのです。


東大プラス11大学の構想を経団連が後押しするという構
図。見たことがあるとの既視感に付きまとわれます。
それもそのはず、 これって原発推進大学の在り方に酷似し
ているのではないか!

●原発推進:11大学に104億円 国と企業が提供

東京大や京都大など11国立大学の原子力関連研究に対し、
06~10年度、国や原子力関連企業などから少なくとも
104億8764万円の資金が提供されたことが、毎日新
聞の集計で分かった。

規模の大きな大学は毎年、数億円規模で受け取っている。
「原子力推進」に沿う限り、研究資金を安定的に得られる
仕組みで、大学が国策に組み込まれている構図が鮮明にな
った。

ほとんどは受託研究が占め93億円。特に国からの委託は
高額で、文部科学省が福井大に委託した「『もんじゅ』に
おける高速増殖炉の実用化のための中核的研究開発」(5
億1463万円、10年度)など億単位も目立つ。

 

個人別で最多だったのは、福島第1原発事故直後、当時の
菅直人首相から内閣官房参与に任命された有冨正憲・東京
工業大教授で1885万円。


一方、原発の危険性に警鐘を鳴らし続けてきた京都大の小
出裕章、今中哲二の両助教には、「原子力マネー」の提供
はなかった。


寄付講座は4大学が電力会社などの寄付で開設し、総額4
億9100万円だった。大学別では、京都大33億640
万円、東京大25億5895万円、東京工業大16億74
81万円の順だった」。

さらに福井大、名古屋大、大阪大、北海道大、九州大、茨
城大、富山大、神戸大の計11校。


旧帝大と東工大、それに原発立地県の大学の名前が並んで
ますね。


● 秋入学を決定するにあたっての、議論の運び方に、胡
散臭い臭気が漂うのを嗅ぎ付けないわけにはゆきません。

東大中心の11大学が経団連の力を借りて世論形成をして、
どのあたりで実行するのか。蚊帳の外の受身に置かれた大
学、企業との2極分化を当然の前提としているように見え
ます。

東大と経団連の協力体制、これを原発推進方式と呼ぶこと
にしましょう。


こんな具合にしてこの国に大きな問題が、社会的に了解決
定されてゆく手続きが、果たして許されるのかなあ?

それにしても、細かく口をさしはさむのが大好きな文科省
はどうしたのでしょう。


そうか、そうか、文科省主導だと反発を招いて実現が難し
い。だから、東大と「実行力ある」経団連に丸投げしたの
かもしれません。企業が卒業生を受け容れなくては実現不
可能ですからね。

だとすれば、文科省の無力が、こうした原発方式の手続き
を招いているのではないか。こうやまねこは訝るものです。

むしろ、企業の了解が必要だから、経団連を巻き込む必要
がある。国民的議論を促すために必要な手続きであること
を、文科省は語ったらいいじゃない!

そうして、大学だけでなく、幼小中高のすべての学校の現
在の体制を見直す切っ掛けを作ったらいいんじゃない!

やまねこはこんなふうに考えます。

みなさまは、どのようにお考えでしょうか?

このことに関して、ならゆみさんからメールをいただきま
した。


「兄がアメリカ転勤中に、姪がアメリカの小学校に通って
いたことを思い出しました。


日本は1回しか、卒業式がありませんが、アメリカは6月
だけでなく、12月も卒業式が開かれました。大学院生だ
けでなく、学部生も同様です。

日本はどの程度、アメリカの制度を取り入れるつもりなの
でしょうか」。


外国の事情は、思いのほか複雑な模様です。

ご存知の方もおいででしょう。どうか、お考えをお寄せく
ださい。



うらおもて・やまねこでした。



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