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2012年11月1日木曜日

「女性の就労と経営参加を当たり前に」藻谷浩介氏の提案


@@@@やまねこ通信230@@@@

 日本総研藻谷浩介氏の発言が、女たちの間で評判である。
『デフレの正体』(角川書店2010年)や、講演会での
プレゼンテーションを見て、「面白いよと」と知らせてく
れた、たけさん、それにせいたかさんら、やまねこの仲間
たち。

藻谷氏は、若者たちの雇用情勢の悪化が、「不況だから」
と景気循環の「天動説」で説明されていることに対し、真
っ向から反対する。

実は「日本人の加齢に伴う生産年齢人口減少」という事態
が見逃されているのだ。

現在も大方の「思い込み」に反して、輸出が増大し国際競
争力あるこの国の課題は、内需の不振だという。団塊世代
の大量退職が、これに拍車を掛けている。

藻谷氏は、三つの「ではどうすればいいのか」を提案する。
1 高齢富裕層から若者への所得移転。
2 女性の就労と経営参加を当たり前に。
3 労働者ではなく外国人観光客・短期定住客の受け入れ。

●本稿では、女性の就労の効果について紹介しよう。
フェミニストではなくエコノミストの男性藻谷浩介氏の立
場は、女性の社会参加を権利として推進するのではなく、
男性だけが経営し政策決定する現状のままでは、この国が
立ち行かなくなるから、「残された資源」女性の力を利用
しようとの立場である。


フェミニストの主張に、ついにエコノミストが追いついた。

男性優位社会にあぐらをかいた、時代錯誤の男性たちがい
まだに支える壁を打ち破るためには、藻谷氏の考えは、強
力なハンマーとして役立つ!眼からうろこがぼろぼろ落ち
る本である。

女性の社会参加が、社会の停滞とこの国の「行きづまり」
の解決策であることについては、厚労省、男女共同参画局
のガイドラインと同じ方向を向いており、「女性が日本を
救う」とのIMF勧告とも同じ方向である。

●これまで日本社会は男社会のまま、女性の参加を本気で
したことはない。けれど生産年齢人口が減少するこの国で、
生産や経営は男性だけが担うというスタイルでは今後、や
ってゆけない。これが日本経済のブレーキとなっている。

日本の女性はパートや派遣を含めて、全員の45%しか有
償労働をしていない。生産年齢人口の専業主婦1200万
人の4割が一週間1時間以上勤労すれば、団塊世代の退職
男性のもたらす雇用減、所得減がまるごと補える。

藻谷氏は語る。
●男性が所得を得ても、老後の貯金に回すだけだが、女性
は暮しを豊かにするため消費する。女性の所得を増やせば、
税収が増え、年金、保険料も増え、新たな雇用が生まれる。

女性経営者を増やすべきだ。女性の企画した商品は良く売
れる。女性を経営側に入れて、女性市場を開拓する可能性
を追求したらいい。

●若い女性の就労率が高い県ほど出生率が高い。女性の就
労率の高い福井、島根、山形県では出生率が高い。東京は
就労率が低く、専業主婦の最大に多い地域である。「女性
が働くと、少子化が進む」というのは、間違いだ。

共働き家庭の方が子どもが多い。ダブルインカムでないと
子ども3人は難しい。人口水準を維持するには、2.1人
の出生率が必要。

●共働きであれば、「子育てのストレス」が少しは緩和で
きる。父親も子育てに参加する。
「男は仕事、女は家庭」という生活スタイルは高度成長期
以前の農民、商人、職人の過程では現実ではなく、実際に
は夫婦が共働きだった。

職業をもたぬ専業主婦が誕生したのは、高度成長以後、生
産年齢人口が激増する中で、企業戦士の男子を職場に取り
込むため、女性に結婚退職を勧めたためだった。

目下、最重要なのは、家庭を大事にして子どもを育てやす
い社会を作ること。女だけに子育てを押し付けるのは、時
代錯誤。

ところが実現を阻む壁がある。
1 男の側の心の壁「自分は男だ。女ではない」と誇りを
  持つように育てられた。
2 女の側の心の壁。
3 現実の壁(働く女の代わりにだれが家事を分担するか?)

解決策:
1 子どものころからの教育で改善。
3 高齢男性が、家事をする。若い女性が外で有償労働を
  し、所得を得るのが良い。
以上が藻谷氏の提案である。

2の解決策については、後日やまねこが提案する予定であ
る。

ちの男女共生ネットの、頼もしい仲間と、この提案を共有
しよう。

「男女共同参画」は、「女のため」の政策ではない。いの
を大事にして子どもを育てやすい社会を作るためには不
欠なのですよ。

このことに気づかない男性たちが、社会の責任ある立場に
つくことが、今日、許されて良いわけがない。
このままでは、崩壊が目前だというのに。

女たちを政策側、経営側に取り込まなかったら、先がない
のよ。IMFも、藻谷氏も同じ主張である。

ともあれ、女性を取り込むことが社会にとって有益である
ことを今日の為政者たるもの、理解して頂かなくては!

さあ、明日はハンマーを揮う日だ!


うらおもて・やまねこでした。

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