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2015年7月6日月曜日

やまねこ通信322号:「集団的自衛権」これだけは読んで!孫崎享最新まとめ

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「集団的自衛権」これだけは読んで!孫崎享最新まとめ

NHK特集番組「安全保障関連法・自衛隊の活動拡大と憲法」
(6月3日(土)夜9時~10時半)では、野党党首7人
と、公明党北側、それに自民党副総裁高村正彦が出席。高
村副総裁は、目を血走らせ、議論の噛み合いを避け、焦燥
の極地に追い詰められている様子でした。「中身ではない。
あとは日数だ」とのハラがテレビの向こうに透けて見えま
した。

衝撃の書『戦後日本の正体』著者、孫崎享氏の最新発言
を送ります。孫崎氏は元外務省勤務、イラン大使、防衛大
教授。『戦後日本の正体』(創元社)は、この国の歴代の
総理大臣が、どんな力によって首を挿げ替えられたかの歴
史を明らかにし、自民党長期政権が隠蔽してきた日米関係
の実態を暴露しました。

▲集団的自衛権の行使可能を急ぐ安倍政権は、中国の脅威
を振りかざし、国境紛争が起きたら日本だけで対抗できる
かとばかり、人々の恐怖心を煽りたて、強行採決に持ち込
む構えです。

中国との国境紛争に、米軍がはたして出動するだろうか?
これだけは必ずよんでくださいね!!

1:集団的自衛権の本質は、自衛隊を米国戦略のために使
う制度である。

 この点、極めて明確な説明をしているのが宮崎礼壹元内
閣法制局長官である。彼は雑誌『世界』の昨年八月号で、
「集団的自衛権の本質は「他国防衛」である、集団的自衛
権も「自衛権」というから、各国の持つ自己防衛権の一種
ではないか、と考えてしまう人が多い。、違う。自衛権と
名前はついているけれども、「自己防衛の権利」である「
個別的自衛権」とは定義からしても、実態からみても、異
質である」と述べられている。

2:集団的自衛権で行うことは。「他国防衛」、つまりは、
自衛隊を米国戦略に使うということである。

 それは、米国の戦闘行為に参加することと同じである。

 「後方支援であって戦闘行為でない」との説明がなされ
ているが、武器弾薬、兵員の輸送は戦闘時の重要な部分で
あり、当然敵対勢力はこれを攻撃する。後方支援を請け負
った以上、攻撃されることは当然で、「攻撃されたら帰る」
選択は、米国との関係であり得ない。

 機雷封鎖の除去が論議されている。この機雷封鎖は平時
での除去ではない。戦闘時の機雷封鎖である。相手国はタ
ンカー等の通行を止める一環として行っている。この時に
は、当然戦闘地域の指定がなされており、タンカーが航行
すれば、攻撃対象となり、事実上高校は出来ない状況にあ
る。こうした際の機雷除去は戦闘行為の一環とみなされ攻
撃を受ける。

3:現在米国においては、「イスラム国」への対応を含め、
米国の軍事介入の動きがさらに強まっている。この中、(
大統領候補が想定されるブッシュ氏(弟)は「次の大統領
の外交上の最大課題は、同盟国の国際関与を強めさせるこ
とだ」と述べているように)、2016年大統領選挙後、
米国が同盟国に対する軍事関与の要請は現在よりはるかに
強まる。

4:米国の軍事戦略の特色は相手の軍事攻撃が発生してい
ない段階で、「国際的安全保障環境の改善のため」を理由
として行動される(注、「積極的平和外交」と同意語)

 国連憲章は、「第二条 1 全ての加盟国の主権平等の原
則を基礎。すべての加盟国は、武力による威嚇又は武力の
行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するも
のも、慎まなければならない、第五十一条 この憲章のいか
なる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生し
場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に
必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有
の権利を害するものではない」として、軍事行動は相手の
攻撃がある時に限定している。しかし、米国は「脅威の除
去」を口実に行動を行っている。

イラク戦争、アフガニスタン戦争、リビアへの武力行使、
シリアへの武力行使をみても、いずれも当該地域の不安定
を拡大している。 日本が集団的自衛権で軍事介入してい
くことは、決して当該地域の安定につながらず、結果とし
て世界の不安定を促進する行動である。

5:しばしば、米国が要請しても断ればよいという発言が
なされるが、米国との関係はそんな生易しい問題ではない。

朝日新聞2015年4月19日付星浩著「日米関係の将来
像 元外交官の洞察」で栗山氏(元駐米大使、元次官)の
言葉として、「国でも個人の関係でもそうだが、相手が
自分と比べてあらゆる面で一段と上だと、とても付き合い
にくい。米国の忠実な同盟国としてやってきた日本には、
不幸にして欧州のような枠組みがない。裸で米国と1対1
で付き合わなければならない。そこで恐怖心に駆られる」
と記載している。

また私はかつてマケイン上院議員が、欧州諸国要人たちに
「貴方たちが支援しないならそれはそれでいい。しかし、
この政策は米国が今一番重要な安全保障政策と考えている。
これに協力するなら、貴方たちが一番重要だと思う政策に
対する米国の協力は今日にでもやめてみせる(旧ユーゴに
対する軍事介入)と脅し、欧州諸国が震え上がり、米国支
持表明を行ったのを目撃している。

6:「他国防衛」という性格を持つ集団的自衛権の本質を
知られた際には、国民の支持が得られないから、切れ目の
ない防衛を持ち出している。

 ここでは、自衛隊による防衛、日米安保条約に基づく米
国の関与、そして集団的自衛権を意図的に一緒にしている。

7:この中で政府は中国の脅威を意図的に利用している。

安倍首相は、集団的自衛権で、「日本の抑止力が高まった」
と言っている。

多くの国民は、念頭にあるのは中国の軍事力に対する対抗
力を想定する。

では米国は、日本が集団的自衛権に参加したら、中国に対
する態度は変わるであろうか。

 日米安保条約第5条は「日本国の施政の下にある領域に
おける、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及
び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上
の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動
することを宣言する」としており、尖閣諸島は日本の施政
下であるから、対象となっており、集団的自衛権で米国が
新たな動きを見せることはない。「日本国施政下への武力
攻撃に自国の憲法に従い行動」としている。

問題は、軍事紛争になった時に米国は出てくるかという問
題である。出てこないと想定すべきである。

日米防衛協力のための指針(2015年4月27日)では
次の規定がある。

まず、「自衛隊は、島嶼に対するものを含む陸上攻撃を阻
止し、排除するための作戦を主体的に実施する」「米軍は、
自衛隊の作戦を支援し及び補完するための作戦を実施する。
」とし、米軍が戦闘に参加しなくてもいいようになっている。

 そのことは、「日本が自ら守らなければ(日本の施政下
でなくなり)我々も尖閣守ることは出来なくなるのですよ」
(『日米同盟vs中国・北朝鮮』)という事態になる。

 米国と中国は核超大国である。核超大国同士は、いったん
戦闘が始まれば容易に核戦争にまで発展し、各々が消滅して
しまう事態にエスカレートする危険性を持つ。したがって、
核超大国同士の規範はたとえ、小さいものであっても、軍事
衝突を避けることにある。核超大国同士の米中関係において
は、軍事紛争を極力避けることへの合意がある。この中、た
とえ同盟国支援とはいえ、軍事エスカレートの可能性のある
尖閣諸島での軍事介入は極力避けるのが米国方針である。


以上、孫崎享氏の文章でした。

どうか、みなさんの、友人、知人に伝えてください。
安倍政権の説明は嘘です。

法案を成立させてはなりません。 


うらおもて・やまねこでした。



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