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2015年9月7日月曜日

やまねこ通信339号:おばちゃんの蕎麦屋がうまい、長野県とケネディ駐日大使の関わりは?


@@@やまねこ通信339号@@@

おばちゃんの蕎麦屋がうまい、長野県とケネディ駐日大使の関わりは?

キャロライン・ケネディ駐日米国大使が、長野県庁を訪問
したことが報道された。9月2日のこと。「県内の活躍す
る女性」たちとの会合があったとのこと。

間もなく、新しい情報がもたらされた。こんな行事があっ
たという。 平成27年2月12日(木)。長野県男女共同参画
推進県民会議主催で開かれた「信州女性の活躍推進シンポジ
ウム」。

農林水産省水産庁漁政課長の新井ゆたか氏の講演やパネル
ディスカションなどが行われ、キャリアアップを目指す女性
や企業関係者など245名の参加したイベント。

この席で、ケネディ大使からのメッセージを大使館二等書記
官の女性が代読したという。

以上に関する問い合わせ先は、県民文化部人権・男女共同参
画課と書いてあるぞ。

▲ところで駐日女性大使は全部で14人。
長野県にケネディ大使が訪問するのは、どんなわけがあるの
だろう?

ケネディ大使の訪問が「あら、自然じゃない!」とお思いの
読者があるかもしれない。
だとしたら、そこにはいくつかの事柄が問われぬまま、隠さ
れて(「抑圧」「隠蔽」されて)しまうのよ!

▲国際関係、外国といえばまずアメリカなの? なぜ?
父親が有名なケネディ大統領だったから?
他に13人の女性大使がいることに配慮した?
外務省HP掲載、女性大使を招いた行事、安倍首相の「女性が輝く
社会」、内閣府の方針を踏襲してる?そこに地方自治体がケネデ
ィ大使招致せよとの奨励が言外に込められてるの?
長野県独自の考えは押し出さないの?

質問の機会があれば、こんなこと聞いてみたい。
公務員の皆さんにとって、いちばん答えにくい質問ばかり。それぞ
れの部門のお務めの集積である県の行事に嘴入れたくはない。
けれど、この国のひとびとが沈められている無意識の沼の底があま
りに深いことが常々気になっている。そこに少しでも光を差し込む
機会だと思って。

昨日、夕食に何を食べようと思いながら、「諏訪でうまい蕎麦屋
は」のブログを書いた。

今朝方、Facebookに諏訪の友人M坂さんから質問あり。
「八洲は?」
いい質問どうもありがとう。

昨日の「諏訪でうまい蕎麦屋は」の読者の中に、蕎麦好きを自認す
る方がおられたら、やまねこの独断と偏見にお気づきかもしれない。

▲八洲本店は上諏訪駅から諏訪湖に向かう途中の、知る人ぞ知る名
門の蕎麦屋さん。観光案内には欠かさず出ているはず。見たことな
いけど。誰それがお見えになったとの話の絶え間がない店である。
上諏訪駅前の河内屋さんには、永六輔などタレントの色紙が多かっ
た。けれど八洲本店はそんなもの置かない。何も置く必要がないの
である。見えない神々しい神話がこの店をアウラさながら取り巻い
ているのだから。

実はやまねこは有名な名門の蕎麦屋さんをわざと外した。
なぜか?意地悪だから?そんなわけではない。
名門の蕎麦屋さんは、店主の顔が見えないからである。何人もの従
業員が入れ替わり立ち替わりしてその都度、蕎麦がテーブルまで運
ばれる。

どんな粉使ってるの?信州のそば粉がうまいって本当?何分茹でる
の?こんなこと聞きたくても、どこに店主、料理人がいるのか分か
らない。質問する客は邪魔になるばかりだ。黙って食べて早めに席
を空けてよ。店の空気に満ち満ちているこんな声なき声に気おされ
て、箸を置くと間もなく勘定場に向かう。

▲そこでやまねこは思うのだ。
われわれが「味」と受け止めるものは、舌の味蕾が感じる甘さ苦さ
塩気酸っぱさ辛さの味覚、それに口の中での硬さ柔らかさ、シコシ
コ感じゅるじゅる感の集積であるばかりではない。

「味」とは、その店をどうやって見つけたのか、どんな期待をもっ
て訪問したか、店の感じはどうなのか、店主はどんな人か、どんな
風に蕎麦が手元に届くのか、値段は幾らなのかにまつわるさまざま
な社会関係と切り離すことができない。

いっぱいの蕎麦がどんな思いでどのように作られ、どのようにして
食べる人の箸のもとに届くのか。

食べる人にとり、その味は、これまで食べた幾つもの蕎麦と比べて
どんなうまさか。それを誰と食べているのか、その日はどんな日だ
ったのか。

いっぱいの蕎麦の「味」とは、このようにして、作り手と食べる人
の体験や社会関係が束になってこね鉢でもみもみこねこねされた後
の集積なのである。

▲ようやくタイトルのテーマにたどり着く。
そのようなわけで、実を言えば、やまねこは蕎麦屋さんをあまり好
まない。

どうして?
蕎麦屋さんは寿司屋さんと似て、男性の店主が腕自慢するところが
多いから。わるくすると男のナルシズムに付き合わされる。
「うちの蕎麦はいちばんだ!どこにも負けねえ!」
蕎麦を食べるたび、こんな御託を聞かされるのはゴメンだ!

そこで、やまねこの好きな蕎麦屋さんはおばちゃんたちの蕎麦屋さ
んなのだ。
おばちゃんたちは腕自慢しない。そうでなく、「お口に合うといい
けど」と、お客の好みや体調を気遣っての謙虚な表情で蕎麦を出し
てくれる。

忘れがたいのは「おやまぼくち」。
北信飯山の里の郷土料理と聞いた。蕎麦のつなぎが「おやまぼくち
」。それっていったい何?
おやまぼくちは山牛蒡の葉の裏に生える綿状のわやわや。蕎麦をこ
ねるとき小麦粉でなくわやわやのおやまぼくちを混ぜる。普通の蕎
麦よりも硬くてこねるのに力と時間がかかる。

蕎麦をこねるのはおばちゃんではなくおじちゃんだった。おじちゃ
んは出しゃばらず、裏でおばちゃんを支えていた。おやまぼくちに
食べに来るお客はおばちゃんが目当てであることをよく知っている
賢い夫。やはり腕の腱鞘炎の悩みをお持ちだった。

おやまぼくちの蕎麦は、固めですっきりした味わいだった。この店
にはもうひとつの名物があった。

笹寿しである。笹の葉に寿司飯を平たくのせ、上に細かく刻んだ季
節の野菜の漬物を飾る。たったこれだけ。コメの味があんまり美味
しいので感動ものである!飯山はさすが新潟に近いからコメ食文化
圏なのかしらと思った。特別のコメを炊くのかと思ったが、近所の
量販店のコメと聞いた。

場所は諏訪市の西友通りが文化センターに向かう道路との交差点を、
その反対側に曲がる。ちまちました新興住宅地の中だった。
もう閉店してしまった。

▲おばちゃんの蕎麦屋の次は、ビーナスラインの八起。
蕎麦屋の点在する中のひとつで変哲ないお店。ここはM山さんととも
に3人で行ったところだ。お昼時だから店の中は賑わっていた。ど
ことなくなごやかな雰囲気が伝わる。調理場を見ると、おばちゃん
が何人も忙しく立ち働いていた。

食べていると奥から高齢のおばちゃん店主があらわれ、M山さんに深
々ご挨拶。古くからの交友らしい。やがて大盛りの野菜の漬物がサー
ビスで出てきた。これが美味しかったのよ!M山さんを、やまねこは
見直した。漬物抜きでも、お蕎麦が美味しかった。盛業中ですよ。

おばちゃんのそばやさん、次行こう。
富士見駅前の丸甚。地域の友人の蕎麦地図に載っていたからひとり
で訪問。富士見駅の間近、商店街の奥のようなところ。昼食時だった
ので賑わっている。定食を食べる人がいる。諏訪で蕎麦を食べ始めて
間がない時期だったやまねは、へえ、蕎麦屋で定食があるんだ、とび
っくり。

蕎麦の定食を頼んだ。野菜など繊維の豊富なおかずが幾つもの小鉢で
出てきた。何てうまいんだろう。調理場のおばちゃんの方を見ると、
当たり前のような表情でいそいそ身体を動かしている。

おばちゃんの蕎麦屋はだからうまい。
この他にもおばちゃんの蕎麦屋をご存知だったら教えてくださいね。

でも女性のやってるお店のすべてが「おばちゃんの店」ではない。

もうひとつの種類は、「マダムの店」である。
区別はどこにあるにあるのだろう?



うらおもて・やまねこでした。


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