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2016年3月14日月曜日

やまねこ通信345号:縄文の里のママたち「原子力より、原始力!!」のキャンドルの夜

@@@やまねこ通信345号@@@

縄文の里のママたち「原子力より、原始力!!」の夜、
「東日本壊滅寸前だったのに、どうして再稼働なんかできるの?」、

5年目の3.11を迎えた。
5年前のやまねこは諏訪税務署で確定申告の書類に数字を
書き込み提出しようとしていた。その時だった。建物の床
がゆらゆら大揺れにゆれてゆれてなかなか収まらない。変
だな。諏訪湖の堆積層の上で地盤のゆるい諏訪市で地震に
遭ったのは不運だな。一旦収まったかに見えたのに、揺れ
がまたしても始まり、いく度か繰り返してようやく終わっ
た。あたりの人々の顔にはさほどの緊張感はなく揺れが収
まったことにホッとしているようだった。

屋外に出て車に乗った。近所に住むたかこさんに電話した。
何事につけ連絡を取り合う間柄。電話の向こうの彼女の声
が緊張している。

「東北で大地震が起こったらしいの。テレビつけてるけど
真っ黒い津波が内陸に押し寄せて車が転覆して大変なこと
になってる!」
急ぎ家に戻りテレビをつけた。画面に映る思いもよらぬ光
景に言葉を失う。津波の黒い前進が農地ににじり寄ってど
んどん浸蝕してゆく。やがて東電福島原発の事故が伝えら
れた。福島はたかこさんの母上の故郷だ。テレビに釘付
の日々が始まった。

▲今年16年3月11日。キャンドルナイトスタンディン
グが開かれる。気温零度未満の茅野駅前にテントが張って
ある。

若いママたちが凍てつく夜、子ども連れで三々五々参加。
こんなことがあるんだ!足元に小さなキャンドルが幾つも
並べられている。子どもたちが灯火の間を走り回る。ママ
たちが追いかける。
駅の高い屋根から下げられた太母神・仮面土偶の巨大な像
がママたち子どもたちを見下ろしている。
「原子力より、原始力!!」縄文の里ならではの説得力が
ある。

子育てママたちの先輩、元地方議会議員のちよこさんが挨
拶した。「民主主義ってなんだろう?こんなことをずっと
考えてきました」。

町会議員をしてた頃、選挙では公約してないさまざまな事
柄をどしどし決めようとする議員たちがいた。それは選挙
民が了解してないよと異議を唱える。すると、「選挙で負
託を受けてるからいいんだ」と押し切って行く。「違うん
じゃないかな?」ちよこさんは違和感を覚えた。選挙で当
選したら何をしてもいい。「それはおかしいよ!」

ここで聴衆のやまねこは思い当たった。ちよこさんが先を
語るまでもなかった。彼女の感じた違和感は、今日安倍首
相の政治姿勢に感じると同じ違和感だ。選挙で議会の多数
派になったら、選挙公約にしてないのに何をしてもいい。
多数決で決まりだとの姿勢。この姿勢に対する違和感と同
じだ。

「民主主義って何だろう?結局、選挙民の人々の考えを細
かに聞いてとことん話し合ってゆくしかないんじゃないか
な?」。選挙で過半数をとったから、形ばかりの審議をし、
あとは採決すれば一丁上がり~の姿勢とは、民主主義って
正反対の活動ではないのだろうか?

寒くなったので、テントに戻りストーブに手をかざす。ち
よこさんがやってきた。

東電福島の「原発事故は、もう少しで東日本が全滅すると
ころだったのに、奇跡的に収まったの。それなのに、どう
して再稼働なんかできるの?」
石油ストーブの炎が照らすほの明かりの中、腹の底からの
疑問である。何を考えてるんだろう?
不思議でならない。やまねこも同じ思いだった。

東電・経産省・原子力を取り巻く国の委員会。それらをめ
ぐる情報が頭の中で駆け巡ってひくひく動く。けれど、
この疑問はそれとは別の疑問なのだ。誰にも答えられない。
テントの中の数分は別の時間が流れていた。

▲「このままだと東日本全壊、日本全体がひどいことになる」。
3.11から始まる東電福島原発事故。メルトダウンした1号機
と3号機が水素爆発した。二つともベントをして圧力を抜い
たあと。だから原子炉の爆発は避けられた。

2号機もメルトダウンした。ところが2号機ではベントしよう
にも放射線濃度が高くて接近できず作業ができない。吉田所
長は作業員から犠牲者を出さないことを選んだ。作業員の命
を軽くみたら、住民の命を軽く見ることにつながる。東電本
店から「ベントを早くしろ」と、指令ががなり立てる。なす
すべがなかった。

このままでは原子炉が爆発し高濃度放射能が空中に散乱する。
核爆発と同じだ。日本地図が広げられる。200キロ圏内に
千葉埼玉が入る。300キロ圏内には東京全域と神奈川が入
る。そこに人が住めなくなる。首都が消えるということだ。

ところが2号機の圧力が次第に下がった。原因はいまもって
不明である。2号機の隙間から高濃度放射性物質の気体が漏
れ出したためであろうと推測されている。けれど何が起こっ
たのか中に入って調べることができない。そのまま5年がたっ
たのだ。

首都圏が人の住めない地域にならなかったのは偶然の出来事
で運がよかっただけなのだ。

2号機原子炉建屋周囲の免震棟司令室の様子がドラマ仕立て
で放映された。昨晩3月13日夜『NHKスペッシャル・原発メ
ルトダウン 危機の88時間』。

「世界最悪の原発事故、放射性物質の大量放出、世界が震撼
した!」とのナレーションが流れる。

 世界がかたずをのんで見守った。その視線は今も続いてい
る。東電福島事故以後脱原発にシフトしたドイツなど、政策
転換や見直しを図った国々が幾つもある。

ところが、安倍政権下の日本では、再稼働が当然のように語
られている。2030年の「ベストミックス」では、事故前
の割合より少し低めではあるが原発比率20%程度が維持さ
れている。

原発の新基準が作られた。ところが福井県の高浜1号機のよ
うに40年を超えた原子炉までが継続使用可能になっている。
何をもって世界で一番厳格な基準と言えるのだろう?

ほんとうに不思議である。世界が震撼した東電原発事故以後、
この国ばかりは課題に向き合うことなく、むしろ課題を隠蔽
し先送りしてオリンピック招致で浮かれようとしている。

政権の頭がおかしい。
政権が精神を病んでいる。
その政権を大メディアが支えている。
人々の頭も日々汚染されてゆく。
首を横に振って、恐ろしい日常性を頭から振り払うだけで精
一杯との気持ちになる。

この中、新しい動きが始まっている。
3.11夜のママたちのキャンドル集会。諏訪地区に住むママた
ちと知り合ったのは松本市で開かれた集会だった。「信州市
民連合」を根っこで支える40代50代の集まり。市民活動
の確かな手応えに出会うことができた。ゆかりさん、修一さ
んらに感謝!

そうして、ちの男女共生ネットの仲間たち・・・



うらおもて・やまねこでした。



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