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2016年6月24日金曜日

やまねこ通信349号:『とと姉ちゃん』とのそっくり感、どうして伝えたらいいもん じゃろうのお~?

『とと姉ちゃん』とのそっくり感、どうして伝えたらいいもん
じゃろうのお~」

@@@やまねこ通信349号@@@

「臨時ニュースを申し上げます。臨時ニュースを申し上げ
ます。大本営陸海軍部、十二月八日午前六時発。
「帝国陸海軍は本八日未明、西太平洋においてアメリカ、
イギリス軍と戦闘状態に入れり。」

NHK朝ドラ『とと姉ちゃん』一家が朝ごはんの最中、ラジオ
がニュースを伝えた。

「戦争始めて、いつ終わるのかしら」と母・君子。
「こんなに物資がないのに戦争なんかできるのかい!」と
祖母・滝子。

舞台は目下、母君子の実家、東京深川で200年の老舗を
誇る材木商青柳商店。今日は、真珠湾攻撃の日だった。

戦争に人手と予算をもってゆかれ深川の材木商はジリ貧状
態、従業員を解雇していた。常子の祖母滝子の養子で現社
長の清は、商売の先行きに苦慮し、今では木材統制をする
組合に勤務している。お陰で工場の宿舎を建築する木材調
達の話が舞い込む。ところが予定された建築は4畳半に4
が暮らす部屋。祖母の滝子は大反対。
「そんな建物は人間の暮らす場所ではない!青柳の材木は
出せない!」
けれど養子の体面を重視し、滝子が承諾した後だった。

陸軍の言い分を聞いていれば商売だけは許される、と清は
思っていた。ところがその目論見が外れる。青柳商店は陸
軍の事務所に徴用されることが決まった。

一方商事会社のタイピストをクビになった常子は出版社に
再就職。雑誌『新世界』の編集部員である。統制が厳しく
なり政府に批判的な出版物は出せない。その中、面白い特
集をと考え、「ユーモア小説特集」を編集印刷完了し出荷
した直後のこと。社長が警察に呼び出された。発売禁止に
なるかもしれない。結果、特集部分をナイフで切り取る条
件で、販売が許可された。

『とと姉ちゃん』(月~土曜前8・00)の平均視聴率は
23・8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という。多
くの人々が先の戦争中の暮らしがどんなものだったか、ド
ラマを通じて見ているということだ。政府の言論統制、陸
軍による物資の統制がどんなものだったか、こんなに分か
りやすい教科書が籾井体制下のNHKで毎日堂々放送されて
いる。

▲昨晩、岡谷市で杉尾ひでや候補の立会演説会が行われた。
応援演説の団体、政党の方々の発言に、『とと姉ちゃん』
が何度か登場していた。戦争は私たちの暮らしを根っこか
ら壊してしまうとの語りだった。
このドラマを見て、「戦争はこわい」と思う人々が増える
といいのだが。

関東大震災後に制定された「治安維持法」は、『とと姉ち
ゃん』の時代、真珠湾攻撃の少し前に、「予防拘禁」を可
能にしていた。「予防拘禁」とは、政府の政策に敵対的と
警察が疑うだけで、逮捕拘禁することである。

▲2013年12月に成立した「特定秘密保護法」。この
法律は、「漏えいすると国の安全保障に著しい支障を与え
るとされる情報を<特定秘密>に指定し、それを取り扱う
人を調査・管理し、それを外部に知らせたり、外部から知
ろうとしたりする人などを処罰することによって、「特定
秘密」を守ろうとするもの」。

何が「特定秘密」であるかは秘密だから、自分が家族が友
人が、なぜ逮捕処罰されるのか、私たちは知るすべがない。

それだけでなく、北朝鮮の<ミサイル>、南シナ海の中国
の動向が、この国に対する大きな脅威であるかのように、
重大ニュースとして報道される日々。

もう、『とと姉ちゃん』の時代にそっくりである。
この「そっくり感」をどうにかして、人々に伝えなくては!
「どうしたら、いいもんじゃろうのお~!」

▲最後に、今日の午後は、英国のEU離脱でテレビは一色で
した。
これが参院選に、今後のこの国の政治に、どんな影響をも
たらすでしょう?



うらおもて・やまねこでした。


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