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2016年6月26日日曜日

やまねこ通信351号:ジェンダー差別は、気づかないですることが多い。悪気とは限らないから厄介なんだ!

ジェンダー差別は、気づいてないことが多い。
悪気とは限らないから厄介なんだ!

@@@やまねこ通信351号@@@

女たちが共同作業で常に同行していると、職場の人々や廊下
ですれ違う人々に「仲が良いですね」と言われることがある
と最近聞きました。

比較的年配の男性かと思うと、必ずしもそうではない。
この発言者は自分では「善意」で女たちにお愛想を言い、も
しかしたら賞賛しているつもりです。

けれど、男性が共同作業で常に一緒にいる時に、「仲がいい
ですね」などと言う者があるだろうか?

女たちに対しては言う。けれど男には言わない。この差のあ
る行動を「ジェンダー差別」と呼びます。
「ジェンダー差別」は、けっして悪い人々が、悪意を持って
するばかりではありません。

「男性社会」の中で生きている人々は、男性であれ、女性で
あれ、アタマの前頭葉にこんな考えが根強く刻み込まれてい
ます。でも自分では気づいてないのです。

 女は「感情の動物」だ。だから「好き嫌い」で相手を選ぶ。
 家庭であれ、職場であれ女たちの傾向は変わらない。
 一緒にいる女同士は、「仲がいい」のだ。
 それが「快適」であり「心地いいから」。
 結局、女はどこにいても、ネコみたいに「心地よさ」を選
 んで「遊んで」いる。
 どれくらい本気で仕事してるんだろうね?

そのとおり。
さきほど「仲がいいですね」と「賞賛」した男性は、子ども
を褒めると同じ、上から目線でお愛想を言ったのです。なぜ
なら、子どもではない成人が職場において「仲が良い」こと
は賞賛の対象ではないからです。

成人男性同士が職場で同伴している時、「仲が良い」などと
失礼なことを誰が言うでしょう。

 男性は、「責任感が強い」から「職務」を第一に考える。
 常々同行する相手は「業務上」の協力者である。
 男性が同行してると「仕事熱心」とみなされ、賞賛の対象
 である。
「仲が良い」なんて誰も言わない。子どもじゃあるまいし!
 だから男には安心して仕事を任すことができる。

「男は仕事、女は家庭」「女は子どもを産む機械」と発言す
ることだけがジェンダー差別ではありません。
仕事してる女たちに、「仲がいいですね」と「善意」めかし
た評価を投げかけること。
これも男性とは異なり、女性を子供扱いにした立派な「ジェ
ンダー差別」なのです。

▲「女は家事子育てに向いており、その仕事を好んでいる」。
このように「女は家庭」「男は仕事」「女は補助的」「男は
上司」と決め付ける思考の枠組みを、「ステレオタイプ」と
いいます。

自分の頭の中に「ステレオタイプ」が宿っていて、自分がそ
れに支配されているとことは、ほとんど誰も気づかないまま
です。

でも、このステレオタイプの思考によって、社会の政策が決
められ、誰も不思議に思わないことが多いのです。

保育士の給料は、同世代の別の職業と比べて、月額10万
円安いと言われています。
行政の人に尋ねると、計算の仕方が人口比だから市町村で違
うとか、とても理解できない難しい話が語られ、流布してい
ます。

けれど根底にひそんでいるのは、シンプルなジェンダー差別
のステレオタイプなんです。

「保育園は女が子どもたちと遊ぶ場所だ。女は子どもあやす
 のが好きだからね。結婚してりゃ給料はたいしていらんだ
 ろう。女が一家を養うわけじゃない」。

これが政策決定をしてきた「男性社会」のステレオタイプの
考えです。
ここでは、「女は子どもを生む」「育てることが好き」「結
婚している」「一家を養うことはない」。
このような事柄が、当たり前のように前提にされています。

これが「男性社会」の考えであり、そこに生きる男も女も、
頭を支配されているパターン化された考えです。

この考えで政策が決定された社会では、結婚しない女たち、
親を養う女たち、シングルマザーの女たち、稼ぎのない夫の
代わりに一家を担う女たち。この人々の暮らしが成り立たな
くなるのです。

現在、シングルマザーと高齢女性の貧困者が多いのは、こう
した政策の結果です。
女たちの人権が無視されている。何とかして変えなくてはな
りません。

▲「女は子供を産んでりゃいい」という言葉、女性を「母ち
ゃん」と決め付けること。それに職場や社会、地域で出会う
女性たちを「酒場のホステス」のようにあつかうこと。
これが一般的にみられる不愉快な、「ジェンダー差別」です。

でも、ジェンダー差別には様々なあわれがあります。これを
口にする男性、それに女性は、悪意で行っているとは限りま
せん。

だから、「反論」するときは、対応をしっかり組み立て、分
析してある程度、論理的展開をしないとならない。でないと、

「だから女は困るんだ。すぐに感情的に怒るから」

と再度のジェンダー差別を強化するだけに終わりかねません。

「女は子どもを産む機械だ」と発言した柳沢伯夫という政治
家は辞職しました。けれどその発言が悪いとは最後まで理解
できませんでした。だから「誤解を招く発言をした」として、
謝罪するのです。本人は、「女たちは子どもをたくさん生ん
でほしい」と言ったことがどうして悪いのかわかっていない
のです。

▲女性がどんな職業を選ぶか、結婚するかしないか、誰を結
婚相手に選ぶのか。子どもを生むか生まないか、いつ、どの
相手と何人生むか。
これはひとりひとりの女たちが選択することです。女たちは
自分で決定する権利をもっています。
国や社会から「ああしろ、こおしろ」と言われ、服従しなく
てはいけないことではありません。

女性の権利を侵害するような事柄を、公人である国会地方議
会議員などは、公の場所で発言してはならないのです。

戦前の明治憲法下では、女たちが家父長体制下、親たちの
命令に従うしかなく、泣く泣く服従していました。親の言い
つけ通りにしなかったら、職業のない時代の女たちは生きる
すべがなかったからです。

幸い、日本国憲法は、男女平等をとなえ、結婚は両性の合意
によってすることを定めました。

職場で、ご近所で、「何か変なこと言われたよ!」と思った
ら、ぜひやまねこに連絡してくださいね。

▲選択的夫婦別姓が立法化されることは、働く女たちの不便
や悩みを取り除いてくれる法律。ところが、これに反対する
女性閣僚が多いのです。自民党の男性議員も。どうして?・・・




うらおもて・やまねこでした。

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