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2017年6月4日日曜日

やまねこ通信385号:ブルーベリーの苗を植えそこなった日

@@@やまねこ通信385号@@@

ブルーベリーの苗を植えそこなった日

こり:鹿が来るよね。頻繁だね。
   ブルーベリーの苗買うのどうした?

やまねこ:そうなの。去年から買うつもりでいたの。
          肥料だけ早めにもらったから。
      今日は、草刈機で庭の片付けをしようと思
         ったけど、機械が動かないから、ブルーベリ
     ーの話を書こうかな。

やまねこの棲家の庭に鹿が週一度は現れる。今のところ
食われて困るものはない。生い茂る草をどんどん食べて
ねとの心境。

先日、農協が経営する農業用の大規模店舗に行ってきた。
草むしりする時、トゲにも強いゴム張り手袋を買うつも
りだった。着いてみると、駐車場の近くには野菜の苗、
花の苗がぞろり並んでいる。

ふと思い出した。去年の秋の半ばだったか、ご近所から、
ひと袋の燐酸肥料をいただいた。ブルーベリーを植える
といいと。あとは苗を買うばかりだったのだ。

売り場に行くと、幾つか種類かあるようだ。尋ねてみた。
新しい種類の苗を植えると、500円玉くらいの実がな
るという。
「へえ~!」
後先を考えず、古い品種一本、新しい品種一本を台車に
載せてレジに向かう。

ふと思い出した。鹿に食われるかもしれない。
その日から、鹿が敵になる。
こう思って店の人に尋ねる。奥の方に、緑色した細い棒
が高いのから低いのまで揃っている。
「これを土に差し込んで、向こうにある網を巻きつける
といいんです」。
なるほどね・・・

その時である。ご近所の友人ちづこさんが現れた。なん
というタイミングか!
ちづこさんは今では、庭仕事が三度の飯より大好き。毎
日庭ですごす時間が無上の喜びのひと。

ちづこさんの敵は鹿である。宝物を幾度も食い荒らされ
涙を流たあげく、2年ほど前に決意した。
大切な花や植木を守るため、敷地をぐるり、金網で覆い
尽くす工事をしたのだ。

ブルーベリーを植えることをちづこさんに相談。
「でも、鹿に食われるよね。まるごと覆うようにしなく
ては・・・」
「そうなの。棒を立てて網で囲うの、力仕事だよ。大変
よ・・・」

ちづこさんのこれまでの苦労話を思い出す。
さんざんの気苦労、力仕事、大工さんへの注文、工事の
不十分の話を聞いてきた。

「今のうちに止めるかな」
「止めるのは、大事なことよ」

これで決まりだった。植物を植えるのはいいけれど、次
には鹿を敵に回しての抗争が始まるのだ。

結局この日は、台車に乗せたブルーベリー二株を、すご
すご別のレジまで押して運び、庭仕事用の緑色した手袋
を買ったばかりだった。

▲モーター仕掛けの草刈機がやまねこの棲家にある。近
所の別荘に年数回訪れた庭仕事大好きな友人が、2軒で
シェアすることを提案。電動ノコギリと草刈機を割り勘
で購入した。5年ばかり前のことである。

やまねこは数年前、一度使ったきり、その後ベランダに
寝かせてあった。友人がその後別荘を手放したので、今
では、やまねこの所有物になっている。

今日は、朝から大決心。燃料を注ぎ、ボタンをおして紐
を引っ張り、ぶるるる~と音がすることを期待した。と
ころが、思うようにゆかない。

でもいいのだ。あとでよしこさんのお連合いきさぶろう
さんに訊ねることにしよう。

やまねこの棲家の庭は、大地と対話しながらの作業が大
好きなひさえさんの目には、宝の山であるという。

フキ、ワラビ、イタドリ、地梨、野生ミツバ、それにヨ
モギが一面に。

以前はジゴボウと呼ばれるキノコが、たくさん生えた。
9月10月である。
けれど、原発事故以後、取らないようにした。

2年前にカラマツ、アカマツ、クヌギを何本も伐採して
日当たりを良くし、駐車場を広げた。
ジゴボウが生えていたカラマツの群れもこの時、伐採し
たのだった。

こり:鹿が敵にならなくて良かったけど。ブルーベリー
   は残念だよね。

やまねこ:鹿の背丈が届かない樹木だといいかもしれな
   い。木になる実があれば。 



こりでした。
うらおもて・やまねこでした。